英語を習い始めた人が必ずと言っていいほどぶつかるのが冠詞の「a」と「the」の使い分け。学校では「最初に出てきた単語にはaを付けて、2回目以降に出てきたものにはthe」と習った方も多いはずです。
でもそんなざっくりと言われても、正直わからないですよね?そこで今回はこのややこしい冠詞の違いや使い分けについて解説します。
「a」の使い方
「a」は文法用語で不定冠詞と言い、特定されていない名詞や一般的なものを指す際に使われます。基本的には単数形の名詞の前には「a」を付け、母音の場合は「an」になるという認識で問題ありません。例えば、以下のように使います。
・I have a pen.
私をペンを持っています。
・I bought an apple.
私はリンゴを買った。
そのペンやリンゴが何か特定のものであるかは重要ではなく、ただ単に「ペンを持っている」「リンゴを買う」という事実が伝わればOK。そのため、ここでは「a」や「an」を使うのが正しいというわけです。
「たくさんある中で、どれでもいいから一つのもの」というイメージで考えるとわかりやすいかと思います。
「the」の使い方
「the」は文法用語で定冠詞と言い、共通認識のものや特定のものを指す場合に使われます。「a」や「an」と異なり、名詞が単数か複数であるかに関係なく使えるのが特徴です。なお、母音の前でも綴りは変わりませんが、発音が「ザ」から「ジ」に近い音になります。
以下の例を見てみましょう。
・Can you open the window?
窓を開けてくれますか?
・Do you know where the cinema is ?
映画館はどこにあるか知っていますか?
どの窓や映画館でもいいわけではなく、特定の窓や映画館であることが大切なため、「the」を使うのが適切というわけです。
「たくさん他にもある中で、ある特定のものにスポットライトが当たっている状態」と考えるとわかりやすいかと思います。
「a」を「the」と言ったらどうなる?
では、「a」と「the」を入れ替えたらどうなるか見てみましょう。
・I have the pen.
私は(特定の)ペンを持っている。
・I bought the apple.
私は(特定の)リンゴを買った。
「the penって言っていることは、通常のペンとは違う何か特別なペンなんだろう」「the appleって言っているけど、お互いがすでに認識している特定のリンゴなのか?」というような解釈になります。
意味は伝わりますが、相手が
「the」を「a」と言ってしまうとどうなる?
今度は「the」と言うべきところを「a」と言ってしまった場合はどうなるのか見てみましょう。
・Can you open a window?
(どれでもいいから)窓を開けてくれますか?
・Do you know where a cinema is ?
(どれでもいいから)映画館はどこにありますか?
相手にとっては「a windowって言ってるけど、どの窓を開ければいいの?」「a cinemaって言われても、どの映画館のこと?」となります。
意味が伝わらないってことはないですが、相手には少し混乱を与えてしまうでしょう?
まとめ
「a」と「the」は日本語にはない概念なので、使い分けに苦戦する方は少なくありません。強いて訳すなら「a」は「とある○○」、「the」は「その○○」という感じですが、厳密には正確ではありません。
「じゃあ、どうすればいいの?」「どうやったら確実に使い分けられるの?」思いますよね?
そんな方は、以下のルールを覚えれば大丈夫です。
スポットライトが当たっているなら「the」、当たっていないなら「a」
その名詞が特定の何かであるか、そうでないかは最初は分からないと思います。なので一つの判断基準として、このルールでやってみてください!
慣れていないうちは、「a」であるべきところを「the」と言ってしまったり、逆に「the」と言うべきシチュエーションで、「a」を使ってしまうことも多いと思います。
でも大丈夫。最初はみんな通る道です。間違えたとしても通じます。ネイティブの人は仮に文法が間違っていたとしても、正しく理解してくれますのでご安心ください。
日本語を覚えたての外国人が文法を間違えていたり、ぎこちなくても言いたいことはわかりますよね?それと全く同じです。
冠詞の使い分けに限らず、英語が上手くなるには「何度も英語を使うこと」が大切になります。「何度も繰り返しながら、徐々に感覚をつかんでいく」これが遠いようで、一番の近道です。失敗を恐れずに貪欲にトライして、自身をもって英語を話せるようになっていきましょう!
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